・教育とは
そもそも教育とは教え育てることであり、対象人物の心身に対してに意図的に働きかけることである。教育を受ける人の知識や技能を身につけさせ、人間性や精神力を育み、その人が持つ能力を引き出そうとすることである。
教育の効果については、さまざまなで政治面、経済面など様々なことが挙げられている。
なぜ教育が欠けてはならないのかという問題について、イマヌエル・カントは「人は教育によって人間になる」と述べ、人間らしく生きるために教育が必要であると論じた。
・教育の歴史
教育自体は人類の有史以来存在してきたものと考えることができる。神話上でも教育の場が見受けられる。例えば有名な話としてはケイローンはアポロンから音楽、医学、予言の技を、アルテミスから狩猟を学んだという。ケイローンはペーリオン山の洞穴に住み、薬草を栽培しながら病人を助けて暮らした。その後はヘラクレスなどの英雄たちに武術や馬術を教え、アルゴー号の船長になるイアソンを養育し、後に医神になるアスクレピオスには医術を授けた。アキレウスの教育係でもあった。教え子たちは今も世界中で英雄視され、信仰され愛されている。制度化された教育について、古代ギリシアまで遡ることが一般的である。紀元前387年に古代ギリシアの哲学者プラトンが作ったアカデメイアでは、数学・哲学等が教えられてた。十字軍以降、イスラム世界を通じて中世ヨーロッパの大学成立に多大な影響を及ぼした。その他にもギリシアでは、コス島に医学校、アレクサンドリアには図書館があった。高等教育機関は古代より世界各地に存在してきたが、高等教育機関と定義するならば、紀元前7世紀創設のタキシラの僧院が最古の大学となる。5世紀のインドではナーランダ大学が設立された。仏教を中心とした学問研究で学位に相当するものの授与のほかに、今の大学院のようなものがあり世界各国から学びに来ていた。地元の熱心な仏教徒らの寄進・布施によって運営費や学生らの食費などが賄われていた。
日本で最古の教育制度は、701年の大宝律令となっている。7世紀の天智天皇の治世で「大学寮」が創設され、卒業時には官位を与えられたりした。
カロリング朝のシャルルマーニュがアーヘンに宮廷学校という名の学校を作った。学者、統治者、聖職者、シャルルマーニュ自身などが参加して、一般市民の教育について、統治者の後継者たちへの教育、統治、侵略者からの領地の防衛、浪費を防ぐ術など議論し、これらが大学の前身になった。
現代の高等教育機関の原型としては、11世紀末にはイタリアのボローニャ大学である。そして、17世紀に近代教育につながる教育学が成立した。産業革命以降の労働者の必要性から、教育の必要性が叫ばれるようになり、多くの国で公教育が導入され、初等教育については義務化された。
江戸時代は寺子屋が存在し、大衆にも学習の機会が設けられていた。初等教育から高等教育までの近代的な学校制度が確立するのは明治時代である。
欧米の進んだ科学や技術を導入し明治政府は研究機関を設立し、国際社会でも存在感を表すことになった。
しかし、その後は世界大戦が起きる。1945年に日本は敗戦。GHQの下で学制改革が施行た。教育勅語から、新たな学校教育制度に変わった。その後、現在まで受験戦争、詰め込み教育・ゆとり教育が話題になった。そして、近年はIOT技術を使った教育や社会人になってからもまた学習機関で学習し直すリカレント教育が注目され始めている。